RAYGING BLUE(RGB)サイド
PC.197年、11月。
収束したはずの「審判の刻」は、未だ大きな傷痕を残していた―。

審判の刻により、ジオポイント(※)を支配下に置くためのキー、
通称”コンフリクトワード(conflict word)”の存在が判明した。

「一刻も早くコンフリクトワードを手中に収めよ!」

審判の刻の後、アニヒレィスが手にしたとされるコンフリクトワードを巡り、
世界各地で小規模な紛争が氾濫した。
この戦闘は次第に大きな戦闘へと発展、それと同時に第3勢力である、
地球防衛用軍隊として最大規模を誇る、”マンセルファンデーション”が戦闘に介入し始めていた。
やがてマンセルファンデーションの戦闘介入が大きくなると、
地球連邦とマンセルファンデーションとの全面戦争へ様相を呈した。
マンセルファンデーションを包するL9プラントは、自らを”HSB(Hyper Symbolic Babies)”と称し、
地球全土に対してコンフリクトワードを要求。
各地で敗戦の続く地球連邦は実質的な無条件降伏を強いられた。

この情勢に戦闘への介入を再三拒否し続けた独立軌道衛星・ブルースカイは、
ついに地球連邦からのブルーシグナルを受諾。
審判の刻から地球を救った、空乃 蒼、夕暮 赤音、林野 碧と、水沢 透は、
新型RGBシリーズと共に地球へと招聘された。

「コンフリクトワードは誰の手に?」

各々の思惑を余所に、戦闘の火蓋が切って落とされた。
オペレーション・レイジングブルーが、再び発動する―。

※地球圏のネットワークであり現在の基盤



Hyper Symbolic Babies(HSB)サイド
マザー・マリア。
HSBの総司令、ジオコンピュータ防衛機構を司る人工生命体。
本来はコロニー・L9の制御コンピュータ内に存在し、地球圏の防衛を担当している。
マリアと呼ばれるこの人工生命体には、思考に母性モデルを採用し、
過剰な防衛を行わないシステムとなっていた。

―しかし、彼女は一変してしまう。
地球圏内で勃発したコンフリクトワードを巡る戦争により、
ある少女の母親が目の前で殺されてしまう。
横たわる母親に、話しかける少女をスキャンしてしまった時―
彼女は豹変した。
怒りの矛先は戦争を行う人間。
モニターに映し出された戦闘の映像を見て、幼女―クリスは再び怯える。
彼女は5人のGCヒューマノイド(クローン人間)を生成、L9を拠点とした戦闘機構を構築し、
一転して巨大軍事コロニーとして、地球で争う人々の前に現れたのだった。

「…お前達。」

身を翻しモニターに背を向け、指をぱちんと鳴らすと、
そこには5人の少女達が跪いて並んでいた。

「はっ。お呼びですか、マザー・マリア」

モニターに映し出される作戦内容。

さぁ、私の可愛い娘達…お行きなさい。
「Yes、マザー・マリア」

L9が物々しく動き始める。

「マリア、大丈夫?」
「大丈夫。ママに任せておきなさい。直ぐに安心させてあげるわ」

こうして、各地で戦闘が開始されたのだった。



since.2006 - 2007 Copyright(c) sectionS(c) All right reserved.